ヘーゲル G.W.F.Hegel (1770-1831) 『精神現象学』(1807) 『精神現象学』は、最も素朴な知のあり方から始めて、次々に、より一般的な知へと高まってゆく、知の形態を演繹する試みである。 最初に意識の対象として現れてくる知(例えば、「存在」「物」「法則」など)は、具体的に調べてみると、すべて関係性と作用のうちで成り立っているものであることが解る。その関係性とは、最も一般的に言えば、「他者に自己として関係する」という作用である。 これが「意識」や「自己意識」そして「精神」の基本構造なのである。 A)意識―「概念」の構造 「意識は<何か>についての意識である」という構造を持つ。これを「志向性」という。 感覚的確信;「今」「ここ」で「このもの」を「この私」が意識しているという直接的知 しかし調べてみると、「この今」とは一般的な「今」であり、「この私」とは一般的な「私」である。
精神現象学(原著は1807年) Phaenomenologie des Geistes 訳注付き全訳は2つしかありません。 1, 金子武蔵訳「精神の現象学」(岩波書店、上巻は1971年、下巻は1979年) 金子は生涯に3度、これを訳しています。生涯をこれの翻訳に捧げた人です。それが、可能な限りの文献を繙いて調べた努力に出ています。内容的には、特にイポリットの仏訳及び『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』から多くを学んでいます。 原語を活かした訳語を創り出した点にも特徴があります。文脈の理解にやや難点がありますが、ドイツ語の理解も内容の歴史的背景の理解も正確です。不滅の訳業と言えます。日本における「精神現象学」研究の到達点を示すものです。 訳者が明治の人ですから、文体や単語が少し古くて今の人達にはとっつきにくいでしょうが、「精神現象学」の研究には不可欠のものです。これを参照しなかったために失敗し
1905年、高知県で実業家・金子直吉の次男として生まれた。第三高等学校を経て、東京帝国大学文学部哲学科を卒業。 法政大学などを経て、1925年に東京帝国大学倫理学講座講師に就任[1]。1938年、同助教授に昇格。1945年、学位論文『ヘーゲルの国家論』を東京帝国大学に提出して文学博士号を取得[2]。 戦後は、和辻哲郎の後任として東京大学倫理学科教授となった。1957年2月2日、実存主義協会を設立し、機関誌『実存主義』を通して日本における研究をリードした[3]。学内では文学部長を務め、1965年に東京大学を定年退官。その後は、北海道大学教授、成蹊大学教授、国際基督教大学教授を務めた。1977年、日本学士院会員に選出。また、国語審議会委員、日本倫理学会会長などを務めた。 ヘーゲル研究で知られ、ドイツ観念論、サルトルなど実存主義をも研究対象とし、西洋近代精神史の観点からこれらを追究した。成蹊大学
→紀伊國屋書店で購入 「ユダヤ人問題の謎」 この書物のタイトルは、ヘーゲルのユダヤ教とのかかわりについて、伝記作者のローゼンクランツが「ユダヤ教はヘーゲルをひきつけるとともに、彼に不快な思いをさせる不快な謎だった」(p.27)と語っていることによる。初期のヘーゲルがキリスト教の実定性を考察しながら、かなり激しい反ユダヤ主義的な表現をしているのは、あまり知られていないかもしれない。 ヘーゲルは族長アブラハムを「地上の異邦人、大地とも人々とも異質な存在」(p.49)と呼んで、パセティックなほどにユダヤ教の精神では、神を絶対的な他者として描くのである。著者はその背景に、スピノザとメンデルスゾーンのユダヤ教の取扱いかたがあったと考える。どちらもユダヤ教を宗教というよりも、制度として把握していたからである。ヘーゲルはそこからユダヤ教は精神性の欠如した制度にすぎないと断罪したのだった。ただこうした反ユ
東京出身。東京帝国大学哲学科卒業、1952年、文学博士(東京大学)(学位論文「カントとドイツ観念論 」)[1]。 1956年、東京大学教授。日本哲学会会長(1973年~1976年)。 1913(大正二)年 東京に生まれる 1936(昭和十一)年 東京帝国大学文学部哲学科卒業 旧成城高等学校校長を経て 1947(昭和二十二)年 東京大学文学部助教授 1952(昭和二十七)年 文学博士 1956(昭和三十一)年 東京大学文学部教授 1974(昭和四十九)年 定年退官 青山学院大学教授、東京大学名誉教授 1976(昭和五十一)年 逝去 歴史 理想社, 1947 カントとドイツ観念論 有斐閣, 1951 西洋哲学史 有斐閣, 初版1952 弁証法 その批判と展開 東京大学出版会 1954 現代英米哲学の概観と印象 民主教育協会, 1958 カント 勁草書房, 1958 現代の人間観 哲学入門 有信
※この文献目録は日本ヘーゲル学会文献資料委員会によって作成されたものです。 責任編集 日本ヘーゲル学会文献資料委員会 担当 山口誠一 編集協力 入江幸男、木村 博、権左武志、柴田隆行、鶴巻幸平(データベース化支援)、早瀬 明、藤田正勝、星敏雄、三重野清顕、山田有希子(2004 年・2005年編集) ※次の各部に分かれ、それぞれ1879年から2005年まで確認できた限りでのヘーゲル関連文献の情報を掲載しています。 I. ヘーゲル著作の日本語訳 II. 研究書 III. 紀要・雑誌掲載論文 IV. 研究文献翻訳 V. 書評 VI. 研究動向 VII. 文献目録 VIII. 研究資料 IX. 百科事典関連項目 ※それぞれの分類内で、発行年順に、その中でさらに著者ないし訳者名の50音順に並べられています。 ※検索にあたってはブラウザーの検索機能をご利用下さい。 Win
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く