彼はタバコをくわえて現れた。「韓国の新聞では、タバコを吸っている写真は使いません」と言うと、「あ、そうですか? 禁煙していたんですが、緊張して」と笑った。声は低く、動作の一つ一つの線が太い。映画の中の「春彦」よりも、確かに男性的だ。 ゲイの老人ホームをテーマにした日本映画『メゾン・ド・ヒミコ』で、同性愛者の主人公春彦役を演じたオダギリジョー(30)。微妙な素材にもかかわらず、わずか7カ所の劇場で7万5000人の観客を動員し話題になったことから、韓国を訪問した。折しも、オダギリが出演した日本映画『パッチギ!』も韓国で上映中であり、最近韓国ファンが目に見えて増えてきた。 「映画が有名になるのはいいけど、私が有名になるのは嫌です。有名になったら、韓国に来たくなくなりそうです。海外に行くときは、自由になりたくて行くじゃないですか。パンソリのような韓国文化がとても好きなのに(パンソリのCDを3枚