前回は、日本の若者が学校で学ぶ就業スキルは世界でもトップクラス、しかもトップとボトムの差も小さいのに、そんなポテンシャルのある若者を企業が育成できていないことを指摘しました。ここでいう就業スキル(Employability)とは数的思考力、読解力、IT思考力で測られる学力、つまり就業できるポテンシャルのことです*。 高いポテンシャルを持っているにもかかわらず仕事でそれを活かせないケースは院卒者に顕著です。大学院まで出てエクセル打ちやコピー取りをやらされてやる気を失うなどというのは、私の周りでもよくある話です。 自分の思考力より低いレベルの思考力しか求められない仕事についている日本人日本では相当な数の労働者が、仕事で要求される思考力が自身の思考力より低い職に就いており、職場で問題解決力を使う場面も低いという調査結果が出ています*。 若者に限らず、就労者全体で見た場合の特徴として、日本はスキル