特別な引退会見もなければ、感傷的な惜別セレモニーもなかった。義理人情に厚く、控えめな赤嶺真吾らしい最後である。 16シーズンにわたりプロの舞台で活躍し、J1・J2通算428試合に出場。現役ラストの1年を過ごしたFC琉球にスパイクを脱ぐことを伝えたのは、2021年シーズンの試合がすべて終了してからだった。 「気持ちを切らしたくなかったので。喜名哲裕監督は同じ沖縄出身の先輩でもありますし、余計な気を使わせてしまうな、と。自分の力で出場機会をつかんで、終わりにしたかったんです。会見やセレモニーは、特になくてもいいかなって。僕はヨシト(大久保嘉人)さんたちみたいに日本代表で活躍したわけでもないですから」