日経平均株価が史上最高値を更新する一方で、日本企業が業績不振などを背景に希望退職を募集するケースが相次いでいる。直近1週間だけでもオムロンや資生堂、ゲーム事業を手がけるソニーグループ子会社など、大手が大規模な人員削減を発表した。株価の高値更新を日本経済が回復する兆しと見る向きもあるが、製造業を中心に需要の回復が進んでいない状態だ。一方で、好業績でも早期退職を募る企業も増えている。背景にはグローバル化やデジタル化への対応を急がなければならない事情があり、雇用の流動化が加速している。 【表で見る】早期退職を募集した主な企業 2月26日、オムロンは国内外で2千人規模の人員削減を行うと発表した。国内は勤続年数が3年以上かつ40歳以上の正社員などを対象に1千人、海外でも1千人程度の人員を削減する。オムロンが大規模な希望退職を募るのは平成14年以来、22年ぶりになる。 その要因となったのは、中国経済の