「お金に余裕があれば大きい浴場で思いっきり風呂につかりたい」。生活保護を受けている福井県福井市の独身男性(69)は「風呂も食べたいもんも我慢する毎日」を送る。国は本年度、生活保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助費」を最大5%引き下げることを決めた。2004年の老齢加算廃止に始まり、減り続ける生活保護。支援者らは、憲法に明記される「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているとはいえないと訴えている。 ⇒【写真】福井県内の生活保護世帯と人数の推移 「明日から来なくていいから」。6年前、男性はアルバイトとして働いていたホームセンターから突然告げられた。高齢に加え、体調も崩しがちなため再就職もままならず、福井市に相談し生活保護を申請。軽乗用車を手放し、家賃5万5千円から2万円余り安いアパートに移った。 現在の生活扶助費は月約7万円。食事は昼晩の2回でお茶漬けやパンが多いという。68キ