取材・文/田中昭三 撮影/中田 昭 京都の中心部「洛中」の周辺に広がる「洛外」は、古くから景勝地として愛されてきた。京の歴史と伝統に詳しい井上章一さん(国際日本文化研究センター教授)に、その魅力を聞いた。 最近亡くなられた永六輔さん作詞の歌『女ひとり』を聴いたある京都人が、その出だしを聴いて「これは京都を知らない人間が作った歌だ」と言いました。 その京都人は、例えば代々祇園祭にかかわっているような京都の中心部、所謂「洛中」に住んでいます。彼らは、歌詞に出てくる大原も嵐山も全部郊外、つまり「洛外」であって京都じゃない、というわけです。 実は私自身、嵯峨で育ちました。歌の「嵐山、大覚寺」あたりでまさに洛外です。嵯峨はいまでこそ京都市右京区ですが、それ以前は京都府葛野郡でした。昔は言葉使いも洛中の京都弁とは少し違っていたようです。それであるとき、洛中育ちの先輩に確認したところ、こう答えられました
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