株式会社 日経BP 〒105-8308 東京都港区虎ノ門4丁目3番12号 →GoogleMapでみる <最寄り駅> 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口より徒歩5分 東京メトロ南北線 「六本木一丁目駅」泉ガーデン出口より徒歩7分
さらば!「豊かな国日本」 (桐原 涼=経営評論家) もはや豊かな国ではない もはや日本は豊かな国とは言えない。昨年末に内閣府が発表した「国民経済計算確報(2006年度)」によると、日本の1人当たりGDPはOECD加盟30カ国中18位となった。2000年度時点では世界3位にあった日本の1人当たりGDPは、以降毎年順位を下げ、今では下から数えたほうが早い位置にまで低下した。 「国民経済計算確報」のデータをもとに、世界における日本の豊かさの位置づけを整理してみよう。1人当たりGDPが5万ドルを超える最上位グループには、ルクセンブルクや、ノルウェイなどの北欧諸国が並ぶ。そして4万ドル前後の第2グループには、アメリカ・イギリス・カナダなど欧米の主要国が位置する。日本の位置づけはその下の第3グループである。 1人当たりGDPが3万ドル前後のこのグループには、日本のほかにイタリア・スペイン・ギ
ハイビジョン月面画像をネット公開しなかったNHK 9月14日に打ち上げられた日本の月探査機「かぐや」は、月周回軌道上で、順調に科学観測の準備を進めている。日本放送協会(NHK)が搭載したハイビジョンカメラは、早速月面の撮影を開始し、11月7日には最初の月面画像が、次いで11月16日には、月の際から昇る地球と、月の際に沈む地球のハイビジョン映像が公開された。かつてない高精細の月面の画像であり、一般に与えたショックは、アポロ8号が撮影した有名な「地球の出」にも比肩するするものだった。 1968年にアポロ8号が撮影した「地球の出」(Photo by NASA:上)と、この11月に月探査機「かぐや」が取得した「地球の出」(中)と「地球の入り」(下)のハイビジョン動画像からのキャプチャー(Photo by JAXA/NHK)。NASAの画像は、教育用途、報道用途、非営利用途で出典を明記することで
アマゾンと、ロングテールに関する“大きな勘違い” 第4回 ネット・エコノミー解体新書 2006年9月7日 木曜日 磯崎 哲也 Web2.0を特徴づけるキーワードとして「ロングテール」というキーワードが使われることが多い。通常の店舗では品目数上位20%が全体の売り上げの80%を占めるのが普通だが、ネットのビジネスでは残り80%の品目の売り上げが上位20%の売り上げを上回る(図1)──代表例はアマゾン(amazon.com)だ──というように表現されることが多い。 しかし、ちょっと待っていただきたい。 まず第一に、通常の店舗より多い品目数を扱えるというのは、ホントに「Web2.0」の特徴なのか? ネットのほうが品目数をたくさん扱えるのは、94年にアマゾンが創業されてからずっとそうだったのではないのか? Web1.0か2.0か、というのは単なる言葉の定義の問題ではあるが、2.0のほうが、より「進
日本の税制が低所得者を保護している例として、よく次のようなことがいわれる。 1.日本の課税最低限は諸外国に比べて高い 2.日本の税制は累進課税になっている 1は、分かりやすく言い換えると、「あなたは稼ぎが少ないから税金を払わなくてもいいですよ」という収入の水準(課税最低限)が、日本は諸外国よりも高く設定されている、という意味だ。 2は、簡単に言えば、「貧乏人はあまり税金を払わなくてもいいが、金持ちになればなるほど高い比率で税金を払っている」という意味である。 どちらも事実であれば、日本の税制は低所得者に優しい制度であるということになる。どうも、日本人の7割から8割が、こうした「神話」を信じているようだ。そのため、政治家からさえも、次のような議論が出てくる。 「日本は低所得者に甘い税制になっており、お金がない人が税金を支払っていない。だから給与所得控除、配偶者控除、特
第101回 東大の「産業総論」で露呈 日本人の知力崩壊が始まった 私はこの10年来、東大工学部の「産業総論」というオムニバス授業の1コマを受け持っている。この授業は、さまざまの産業界の現場にいる人が入れ代り立ち代り登場しては、それぞれの産業界の現状と未来について語るという授業で、私の担当は、日本のメディア・ジャーナリズム界についてである。 授業の評価は、「どの産業界についてでもよいから、その未来について思うところを述べよ」という課題でなされる。 プログラミングコンテストで勝てない日本 オムニバスだから、基本的評価は学科の担当教官にお願いして、優秀な答案だけ読ませてもらった。低レベルの答案は読むだけ時間のムダだが、優秀な答案は、学生のものでもなかなか考えさせる内容を含んでいて面白いのである。 今回は、計数工学科のT・S君の答案を読んでいて、ウーンと考えこんでしまった。 彼はプログ
Web2.0を特徴づけるキーワードとして「ロングテール」というキーワードが使われることが多い。通常の店舗では品目数上位20%が全体の売り上げの80%を占めるのが普通だが、ネットのビジネスでは残り80%の品目の売り上げが上位20%の売り上げを上回る(図1)──代表例はアマゾン(amazon.com)だ──というように表現されることが多い。 しかし、ちょっと待っていただきたい。 まず第一に、通常の店舗より多い品目数を扱えるというのは、ホントに「Web2.0」の特徴なのか? ネットのほうが品目数をたくさん扱えるのは、94年にアマゾンが創業されてからずっとそうだったのではないのか? Web1.0か2.0か、というのは単なる言葉の定義の問題ではあるが、2.0のほうが、より「進んでいる」というイメージを持たれやすい。しかも、「ロングテール」という言葉が、「かっこいい」「最先端」といったポジティブなイメ
「出頭は不利」の不思議 (日経ビジネスAssocie編集) Q.“不幸”にして取り締まりを受けたらどうすればよいか? (1)速やかに警察に出頭する (2)放置違反金の請求を待つ A.ドライバーにとって有利なのは(2)。 (1)出頭した場合、反則金を納めるほか違反点数も付される。一定期間に6点を超えれば30日間の免許停止。 (2)運転者として出頭せず、車の使用者として放置違反金(反則金と同額)を支払えば、違反点数はつかずゴールド免許のままでいられる。 放置違反金の納付命令を半年で3回受けた場合は、当該車両に20日間の使用制限命令が出されるが、免許は無傷なので他の車は運転できる。どう見ても(2)がおトクだ。ステッカーを張られる前なら、「今動かします」と駆けつければ口頭注意だけで済むようだ。が、すでに張られてしまったら、その場はやり過ごした方がよいことになる。 施行に際して各警
服役中に発見した大変な社会問題 2002年、衆議院議員が、秘書給与の流用を行い、有罪の判決を受けて服役した。それ自体は「またかよ」と言わねばならない事件だった。「いつ塀の中に落ちるか」と言われつつも決して逮捕されることなく、今や長老と呼ばれるようになった大物政治家がいることを考えれば、この議員は愚直であり「間抜けだったんだ」と片づけている人もいるかも知れない。 だが、今や元議員となった著者は、刑に服した獄中において、今現在の日本社会で進行しつつある大変な問題を発見し、俗世間へと帰還してきた。 障害者、なかんずく知的障害者によって引き起こされる犯罪である。 障害者は障害を持つが故に犯罪に走るというような単純なものではない。障害者は障害者であるが故に社会から疎外され、健全な心身の成長も、就業による社会参加をも阻まれ、その結果として犯罪の岸辺へと吹き寄せられていくのだ。 この問
我が国の財政がどういう状態になっているか。国民100人に質問すれば、おそらくそのうちの99人は、借金漬けで破綻状態だと答えるだろう。だが、はたして本当にそうなのか。それに関する興味深い発表が6月25日にあった。 それは財務省が発表した 2006年度末における国の債務残高である。それによると、債務残高は、前年比 0.8%増の 834兆円。これは過去最高の額で、国民一人当たりにすると 653万円になる。 これを受けて新聞各紙は一斉に、「また借金が増えた」と厳しい財政事情を書き立てた。朝日新聞は「『ローン地獄』脱出道遠し」という見出しをつけている。なにしろ債務残高は GDP の 1.6倍。税収の 17年分の借金を抱えている計算になる。確かに先進諸国のなかで、こんな国はほかにない。 しかし、債務残高が大きければ財政事情は苦しくて、小さければ財政は好調だという単純な話ではないこともまた事実である。そ
YouTube/HDDビデオの時代に日本のテレビ局は生き残れるか? 第9回 ネット・エコノミー解体新書 2006年12月14日 木曜日 磯崎 哲也 この「nikkei BPnet NET Marketing」のページを読まれている方は、ネットだけでなく、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌の、いわゆる「4マス媒体」全体とあわせてマーケティングを考えておられる方も多いだろう。なかでも、テレビという媒体の力は依然、非常に強い。 一方、米国では、YouTubeがグーグルに買収され、ネットとテレビの関係が問い直されている。また、国内でもHDD(ハードディスク・ドライブ)ビデオレコーダーが普及してCMがスキップされ、テレビ広告の効率性は日増しに低下している。 こういった状況は、今後どう変化していくのか。日本のテレビ局に働く「ファイナンスの力学」から考えてみた。 米国メディア各社は、YouTubeを“殺す”のか
人はどうして緊張するのか (日経ビジネスAssocie編集) なぜココ一番という大事な場面で緊張して実力を発揮できなくなってしまうのか? 緊張のメカニズムを知っておこう。 目の前にたくさんの聴衆がいる、怖い上司や気になる異性と話す…そんな状況に直面または想像すると、その情報はホルモンバランスや自律神経をコントロールする司令塔役の視床下部に伝わる。ここにストレスがかかると、すぐ下に位置する下垂体から副腎皮質刺激ホルモンが出て、腎臓上部の副腎からコルチゾール(ストレスホルモンの一種)が分泌される。分泌が多いと、肝臓がブドウ糖を増産し、エネルギーに変えるために必要な酸素を取り込もうとして呼吸が激しくなる。 また、エネルギーを筋肉に送り込むために心拍も増加。一方で視床下部は交感神経を刺激し、体温上昇を抑えようと発汗も促す。ドキドキ、ハァハァ、汗ダク…になるわけだ。 さらに脳内では、視床下
経営感覚が鋭い上海のタクシー運転手が話題に 前回のコラムでは、私が社外取締役を勤める日系部品メーカーの例を紹介した。加工コストを知らず赤字のまま、ユーザーの家電メーカーの値下げ要求を受け入れ続けながら仕事を受注していた現状を変えたい、という趣旨であった。 このメッセージを日本人幹部に伝えるために、あるエピソードを交えたメールをそれぞれの日本人幹部に送った。2006年3月ごろ中国で話題になり多くのメディアで記事になった「スーパータクシー運転手」の話題だ。この話題は日本ではあまり知られていないので、今回のコラムで読者にも紹介したい。その運転手は、「上海大衆タクシー」に勤めている。事の発端はこのタクシーに乗ったマイクロソフト中国の幹部が書いたブログだった。その内容を紹介する。 オフィスビルを出て空港に向かう幹部の前に、一台のタクシーがまっすぐ走ってきて止まった。運転手は、オフィスビルを2周
第2回 これでいいのか? ブログ世界の理不尽な未成熟さ 政治アナリスト 花岡 信昭氏 2006年4月4日 ブログ社会の熱気を身をもって体験した筆者 民主党はやはり前原執行部総退陣、永田寿康氏の議員辞職という事態に追い込まれた。当たり前である。対応が1カ月遅れたために、この党は再生不能と思われるほどに凋落してしまった。7日に新代表が選出されるから、次号で改めて、民主党の現状と将来を考えてみたい。 そこで、やや目先を変えて、この1カ月ほど、ブログの世界で大騒ぎになった問題を紹介したい。おそらく、ブログを日常的にのぞく習慣のない人は知らないのではないか。一般のメディアでもまったく報じられなかったからだ。 総務省の予測によると、2007年3月末で、ブログの利用者は782万人、閲覧者は3455万人に達する見込みという。ネット社会の中軸たるべき存在となっているのだが、その実態たるや、きわめ
わたしが通り魔犯についてのコラムを書いた直後、秋葉原で恐ろしい通り魔事件が起きてしまった。事件が起きた6月8日、ちょうどわたしは秋葉原に買い物に行く途中だったが、事件のことを知って行くのをやめた。 なぜ、犯人は自分1人で自殺しなかったのか。なぜ、全く関係ない人を殺したのか、殺された方々のことを考えるとやりきれないし、許し難いことだ。 今回は、殺傷能力の高いダガーナイフを使ったり、福井の武器ショップでナイフを5本もまとめ買いしたりと、ナイフの売り方・規制の仕方にも大きな問題を投げかけた。通常の用途で5本も一度にまとめ買いすることなどあり得ない。 既に警察庁やいくつかの県が、青少年に対するダガーナイフ販売の規制に乗り出している。また、販売店と連携し、購入者の身元確認をするなど、ナイフ販売に一定のルールを設けていく方向に進んでもいる。できればこれを、全国で推し進めてほしいものだ。 刃渡り
第117回 週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容 前回、「安倍首相が入院したら、そのまま出てこない恐れがある」と書いたが、その通りになった。 慶応病院の医者の発表では、3、4日の入院が必要という。しかし、病院側の記者会見でも、その理由がさっぱりわからない。 病名は機能性胃腸障害といっていたが、これは要するに、これといって原因が特定できるような病気は何もないが、「お腹の調子が悪い」ということなのである。 何しろ、内視鏡を入れて胃腸の内部をじっくり検査したが、目に見える異常は何も発見できなかったので、「機能性胃腸障害」というほかない、というのが医者の説明だった。 緊急入院に隠された本当の理由 機能性胃腸障害が起きた原因としては、「肉体疲労」「精神ストレス」「社会的心理的ストレス」といったことがあげられるという。 要するに、ストレスがかかると、すぐにものが食べられなくなったり
わたしが通り魔犯についてのコラムを書いた直後、秋葉原で恐ろしい通り魔事件が起きてしまった。事件が起きた6月8日、ちょうどわたしは秋葉原に買い物に行く途中だったが、事件のことを知って行くのをやめた。 なぜ、犯人は自分1人で自殺しなかったのか。なぜ、全く関係ない人を殺したのか、殺された方々のことを考えるとやりきれないし、許し難いことだ。 今回は、殺傷能力の高いダガーナイフを使ったり、福井の武器ショップでナイフを5本もまとめ買いしたりと、ナイフの売り方・規制の仕方にも大きな問題を投げかけた。通常の用途で5本も一度にまとめ買いすることなどあり得ない。 既に警察庁やいくつかの県が、青少年に対するダガーナイフ販売の規制に乗り出している。また、販売店と連携し、購入者の身元確認をするなど、ナイフ販売に一定のルールを設けていく方向に進んでもいる。できればこれを、全国で推し進めてほしいものだ。 刃渡り
前回の「プロローグ」で、本シリーズでは、単に定性的にWeb2.0企業を語るのではなく、「データというメスでネット企業を『解剖』する」として、財務データや統計などを用いてネット企業の実像を明らかにしていきたいと述べた。 個別企業を分析する初回である今回は、「グーグル(Google)」を取り上げる。グーグルは、ご存じの通り検索サービスなどを提供している米国の企業であり、「Web2.0」を代表する企業であるが、同時にグーグルほど日本で“定性的に”語られている企業もないと思うからである。 グーグルに関する“評判” みなさんは、グーグルに対して、どのようなイメージをお持ちだろうか。 ・「検索技術がすごい会社」 ・「タダで世界中のWebを検索させてくれたり、 Gmailでギガ単位のディスクを無料で貸してくれる、気前のいい会社」 ・「Google MapやGoogle Earthで世界中の地図や衛
第117回 週刊現代が暴いた“安倍スキャンダル”の全容 前回、「安倍首相が入院したら、そのまま出てこない恐れがある」と書いたが、その通りになった。 慶応病院の医者の発表では、3、4日の入院が必要という。しかし、病院側の記者会見でも、その理由がさっぱりわからない。 病名は機能性胃腸障害といっていたが、これは要するに、これといって原因が特定できるような病気は何もないが、「お腹の調子が悪い」ということなのである。 何しろ、内視鏡を入れて胃腸の内部をじっくり検査したが、目に見える異常は何も発見できなかったので、「機能性胃腸障害」というほかない、というのが医者の説明だった。 緊急入院に隠された本当の理由 機能性胃腸障害が起きた原因としては、「肉体疲労」「精神ストレス」「社会的心理的ストレス」といったことがあげられるという。 要するに、ストレスがかかると、すぐにものが食べられなくなったり
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く