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「格差社会」という言葉が繰り返し紙面に登場する。 格差がどんどん拡大しているから、これを何とかしなければならないという現実的な(あるいは非現実的な)さまざまの提言がなされている。 どなたも「格差がある」ということについてはご異論がないようである。 だが、私はこういう全員が当然のような顔をして採用している前提については一度疑ってみることを思考上の習慣にしている。 「格差」とは何のことなのか? メディアの論を徴する限りでは、これは「金」のことである。 平たく言えば年収のことである。 年収数億の人もいるし、数十万の人もいる。 とくに年収が低い階層のヴォリュームがこのところ急増している。 パラサイトシングルというのも、フリーター・ニートというのも、ネットカフェ難民というのも、過労死寸前サラリーマンも、要すれば「金がない」せいでそういう生活様態の選択を余儀なくされている。 そういう説明がなされている
30代半ばで、誰もが知る有名企業に勤めるB君と話す機会があった。 この年代は大学を出る1994年〜2003年が就職氷河期で、非正規雇用のまま転々とする人も多く、ロスト・ジェネレーションと呼ばれている。ところがB君は「ロスジェネなんてありえない。僕なんかむしろ“金の卵”ですよ」と言ってた。 聞いてみると、確かに就職活動は厳しかったらしい。B君も一流大学の卒業生だけれど、OB訪問をしたら自動的に内定がでたバブル時代とは異なり、それなりにまじめに活動しないと内定はもらえなかった。 留年していたり、麻雀しかしてなかった友人の中には、大企業はすべて落ち、無名の中小企業に就職した人もいたらしい。 でも、元気ではきはきした好青年でサークルなどの活動歴もあり、学生時代から英語も熱心に勉強していたB君にとって、就職活動は「大変だったけど、頑張ればなんとかなった」というレベルだった。 で、「金の卵ってなに?」
フリーターの告発「『丸山眞男』をひっぱたきたい」をめぐって始まった議論は延々と続き、コメントも3つの記事の合計で400を超えた。なぜ「就職氷河期」が起こり、10年以上も続いたのか、こういう状況をどうすれば是正できるのか、についていろいろな意見が出たが、ここで私なりの感想をまとめておく。 まず「格差が拡大したのは小泉政権の市場原理主義のせいだ」という俗説は、まったく誤りである。正社員の求人は、1991年の150万人をピークとして翌年から激減し、95年には退職とプラスマイナスゼロになっている。その原因がバブル崩壊による長期不況であることは明らかだ。 したがって福田首相のいう「現在の格差は構造改革の影の部分」だから、改革の手をゆるめようという政策も誤りである。むしろ「景気対策」と称して行なわれた90年代の公共事業のバラマキが生産性を低下させ、かえって雇用環境を悪化させた疑いが強い。したがって
細切れ雇用の果て 39歳、全財産100円 2008年04月30日02時58分 「恥ずかしながら、これが私の全財産でして」 生活費にも困り、「もやい」に相談に来た男性(右)。農家から寄付された米を受け取った=東京都新宿区、上田幸一撮影 4月15日夜、東京・飯田橋近くのNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」。男性(39)は財布の中身を見せて、うなだれた。 財布には小銭ばかりで100円ほど。前日に古本屋で本を売った400円の残りだ。飯田橋までの電車賃もぎりぎりだった。 都内の電気工事会社の下請けで働くこの男性は、生活困窮者を支援する「もやい」に助けを求めていた。 「いつお金が入りますか」 「4月18日です」 「いくらぐらい?」 「たぶん、3万〜4万円」 「その額でいつまで」 「次の給料日は5月20日」 「それじゃあ、苦しいですねえ。どうしますか」 「18日までしのげれば、アルバイトでなん
2008年03月31日00:15 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 「希望は、戦争」?こちらをどうぞ! - 書評 - ルポ 貧困大国アメリカ たとえば「ワーキングプア」を読んで、日本が格差社会であると思っている方は、本書を読んでその認識を新たにせざるを得ないだろう。 ルポ 貧困大国アメリカ 堤未果 ソーシャルブックマークをお使いの方は、[これはひどい][これはすごい]タグのご準備を。 本書「ルポ 貧困大国アメリカ」は、超大国アメリカが、貧困の面でも超大国であることを克明に伝えた一冊。私はかの地に住んでいたこともあり、そこに行く回数も少なくないのである程度知っているつもりであったが、それが「つもり」でしかなかったことを改めて認識させられた。 目次 - 岩波新書 ルポ 貧困大国アメリカより プロローグ 第1章 貧困が生み出す肥満国民 新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭
「戦争で正社員が死なない限り自分は正社員にはなれない」…31歳フリーター。希望は、戦争。 1 名前:ぶつわよ!φ ★ 投稿日:2008/05/03(土) 10:20:51 ID:???0 「自分は今でも戦争を求めている」。赤木智弘さん(32)は、きっぱりと言った。「戦争で死ぬのと経済的理由で死ぬのは、自分にとって同じこと。今のままでは、どうせ寿命はまっとうできない」 栃木県佐野市のファミリーレストラン。昼下がりの店内には女性のおしゃべりが響き、窓の外は買い物客が笑顔で行き交う。 年収約百五十万円。地元のコンビニで働く赤木さんは一昨年暮れ、 「31歳フリーター。希望は、戦争。」という論文を月刊誌に発表した。 「非正規労働者がはい上がれない社会が続くのなら、 戦争で大勢の正社員が死なない限り、自分は正社員にはなれない」。 極論を真っ向から世間に突き付け、多数の知識人らから 「格差社会の不満のは
ref:格差社会の問題も、みんなとっくに気付いているよね / ハチシロ(ハチミツとシロツメクサ) via:novtan別館 - 格差社会の原因なんて、みんなとっくに気付いているよね でも、格差社会の問題は、この格差が世代を超えて持続されることに集約されていると思うんですが。 逆に、親がワーキング・プアとかやと、いまや全日制の高校を卒業するのも大変やと思いますよ。たとえ、どんなに成績が良くってもね…。 大学進学は、国公立でも恐らく無理でしょう。私が大学(一応、地方の国公立)に行ってた頃は現在よりもっと学費が安くて、ウチが貧しかったおかげで奨学金も全部もらえたけど、それでもギリギリやったから。今なら無理かもね。 以前にも書いたような気がするけど、私は現役大学院生だけど、授業料、生活費、諸々は奨学金とアルバイトで払っていて、親の援助は受けていない。私の場合は大学院からこの形態だけど、兄は私立大学
「激動中国」という番組で、中国の医療が特集されていた。片目を失明してしまった少年が、 網膜のレーザー照射を受けるために700km離れた北京まで出かける必要があって、それには ものすごいお金がかかって、一家が経済的に傾くお話。 番組を作った人達は、高騰する医療費に批判的な、市場化が暴走した医療を問題視する 立ち位置だったけれど、取材を受けていた一家に限れば、問題はむしろ他にあるように見えた。 主人公の子供さんが受けていたのは、たぶんごくありきたりな治療。報道されていたのが全てだったら、 わざわざ北京まで出かけた先の「名医」は、必ずしもすごい技量を発揮していたわけではないし、 子供が受けていた、網膜のレーザー照射にしても、日本だったらどこの市中病院にでも普通においてあるような機械。 中国の医療レベルは決して低くなくて、トップクラスは普通に英語をしゃべれるし、医療機器なんかも、 法律の縛りが穏や
たぶんね。 こないだの記事はいっぱい反応頂いて感謝感激なのだけども、その中にいくつか気になる発言があった。 今日食う飯の調達もままならない。もう1週間近く物乞いをしてなんとか食いつないでいる。これを貧困ではないという人はまあいないと思う。本当に食い詰めている状態を、ここでは絶対的貧困と名付ける。一方で、加藤容疑者のような状況がある。職自体が不安定で収入も世間の平均的な所得と比べてぐっと見劣りする。それでも飯が食えないということはないし、ときには秋葉原で遊び、インターネットを利用でき、携帯電話だって持っている。絶対的貧困とは明らかに違う。そんな彼を貧困たらしめているのは所属社会の相対的富裕層の存在である。これを相対的貧困と呼ぶ。 不幸を減らすためにすべきこと|Weep for me - ボクノタメニ泣イテクレ > 雑記 id:fromdusktildawn 秋葉原無差別殺傷事件 ここで言う「
低所得世帯に塾費用を無利子融資 東京都が格差対策2008年4月16日15時8分印刷ソーシャルブックマーク 年収約200万円以下の低所得世帯を対象に、子どもが高校や大学受験のために学習塾に通う時の費用を無利子で貸し付ける制度を、東京都が始める。都市部で塾通いが日常的になるなか、親の経済力で子どもの教育に格差が生まれるのを防ぐことが狙いだ。将来的には就職先の確保にもつながるとみている。 都によると、全国初の試みで、早ければ8月ごろに始める。都は、公立中学3年生約7万3千人のうち、経済的理由で塾に通えない生徒が約1800人いると試算。一方、中学3年生の学習塾費用は年平均約25万円とされている。このため、中学3年生約1800人を対象に費用の一部、年15万円を無利子で融資する考えだ。 高校3年生には上限20万円を約900人に貸し付ける予定。大学や専門学校の受験料の融資も検討しており、高校や大学に合格
動物愛護団体の人たちが「すばらしい人」なんて引用するのは、 圧倒的にマザーテレサが多いらしい。ほかの偉人とか、ましてや 経営者の言葉なんて出てこないらしい。 マザーテレサは、もちろんすごい人であることには間違いないのだろうけれど、 あの人は同時に、「もっとすごいことが出来たのにやらなかった」人なんだと思う。 マザーテレサのこと マザーテレサは、世の中どうにでも出来るぐらいのすごい力を持っていたのに、 目の前の難民を救うことに全精力をつぎ込んで、「もっとすごいこと」には興味を示さなかった。 悪い言いかたすれば、マザーテレサは能力を持ちながら、怠惰だった。 社会的な立場も、ネームバリューも、あるいは「集金能力」みたいなものも、 マザーはあれだけの能力を持ちながら、自分が「きれい」でいたいがために、 もっと泥臭い、経営の世界に踏み込まないで、難民キャンプの現場にとどまって、 「本気を出せば」救え
表題のテーマをめぐって、興味深い論争がアメリカの経済学者の間で行われているようだ。 元ネタであるこの記事によると、「中国との貿易(つまりは経済のグローバル化)は国内格差を拡大させる」という立場の代表的な論客としてあげられているのが誰あろうPaul Krugmanである。彼の最新の Brookings paperによると、1990年代以降の、中国のような低賃金労働の経済との貿易の急激な拡大がアメリカ国内の熟練労働者と単純労働者との賃金差の拡大をもたらし、国内の不平等を拡大させるという主張が展開されているという。この結論自体は国際経済学の標準理論であるストルパー=サミュエルソンの定理からも導かれるもので、むしろ経済学的にはオーソドックスな見解だといってよい。 こういった見解に対する反論が展開されているのが、Christian Broda と John Romalisによるこの論文である。 ちな
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最近の「格差社会」ブーム(?)の火つけ役になった著者の、これまでの批判への反論を含むまとめ。日本の経済格差は、かつて著者が指摘したよりもさらに拡大し、今では先進国でトップクラスになった。特に若者に「非正規雇用」が拡大していることは、人的資源の質を劣化させ、日本の将来にとって深刻な問題である。 格差拡大の大部分は、高齢化と単身世帯の増加によるものだ。その原因として著者は「構造改革」の弊害を強調するが、それを裏づけるデータはない。実際には、格差の最大の原因は、バブル崩壊後の長期不況による雇用削減である。不況期に、日本の企業が中高年の既得権を温存して、新卒の採用を抑制したり、派遣社員に切り替えたりした結果、高給を取って社内失業している中高年の正社員と、不安定な雇用しかない若者の「二重構造」が生まれたのである。 著者も指摘するように、日本は財政規模でみても公務員の数でみても、先進国の中では「小
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