10年くらい前、出版社にバイトで出入りしていた頃、「ハウツー本を売るコツ」みたいなことを聞きかじったことがあった。 その内の一つに、「一般的に信じられている通説、あるいは権威の言葉をまず否定する」というものがあったことを、奥様が図書館から借りてきた育児のハウツー本を、横から覗きこんでいて思い出した。 通説の質についてとか、そのハウツー本の内容が適しているのかどうか、という話は取り敢えずおいておく。ハウツー本自体は、有益なノウハウと無益なノウハウがごった煮になっていることが分かりきっているのだから、有益だと思った分だけ齧ればいい。それだけのことである。 説得力のお話なのだ。 「通説を否定するメソッド」が有効な理由はたった一つ。「「気付き」という感覚がとってもキモチイイから」。 通説は、広く流布されているからこそ通説と呼ばれる。「大体こうすればいいんだよ」というセオリー、ある程度固定化された「