「いま、ベトナムが大変なことになっているんだ!」ソリューション営業を担当する鳥飼にそんな声がかかったのは2010年春だった。「もともと当社と長いつきあいのある、インフラ系の産業資材を製造しているお客様でした。ベトナムに新工場を建てる、というのでまずは話を伺いにお邪魔したんです。」そこで初めて鳥飼は話の大きさに驚いた。お客様が海外各地で展開している工場を将来的にベトナムの新工場に集約する可能性があり、世界中の工場のシステム統合も見据えた提案を求められたのだ。早速、鳥飼は経験豊富なエンジニア坂口に声をかけた。「会計を除くすべての基幹システムを提案して欲しいという大きな話、その上、年末までにシステムの完成が必要。これは、かなりのスピードと専門性が求められると感じましたね。」さらに、この案件はコンペでもあった。そこで、二人はとにかくお客様に通い、情報収集に努めることにした。鳥飼は言う。「週に1度と