列車火災に脱線事故、267カ所にも及ぶレール異常の放置と不祥事続きのJR北海道について、『週刊文春』『週刊新潮』(ともに10月10日号)が揃(そろ)って取り上げている。 「JR北海道社員の8割以上が『革マル系労組』所属」(『文春』) 「なぜ『JR北海道』はここまでデタラメな組織なのか?」(『新潮』) 組合が革マル系の北鉄労(北海道旅客鉄道労働組合)に握られ、〈会社と組合の力関係が逆転〉(『文春』)、アルコール検査でさえなかなか実施できなかったことに原因があるとした点は両誌共通。 だが、理由はそれだけではないと、深く掘り下げているのが『新潮』。 理由のひとつは会社の金欠状態にあると解説するのは関西大学社会安全学部の安部誠治教授。 〈「分割民営化する時点で、JR北海道が年間500億円以上の赤字を垂れ流すことは想定されていました。(中略)そこで、国の主導のもと、6800億円の“経営安定化基金”が