陸上日本選手権女子800メートル決勝 1着でゴールした久保凛=30日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアム(川口良介撮影) ■7月2日 五輪の日本女子初メダルは1928年アムステルダム大会陸上女子800メートル2位の人見絹枝だった。大会前、非公認ながら12秒2の世界記録をマークした得意の100メートルで準決勝敗退。「このままでは日本に帰れない」と悲壮な覚悟で未体験の800メートルを走り切り、意識を失ってゴールに倒れ込んだ。 他の8人もゴール後に倒れ「女子には過酷すぎる」と初採用の800メートルは封印され、60年ローマ大会で復活した。それから100年近く。スピードと持久力に加え激しいポジション争いで「走る格闘技」と呼ばれ経験がものをいうこの種目で、16歳の高校生が日本選手権で優勝した。 東大阪大敬愛高2年の久保凛。6月30日の決勝では中長距離3冠を目指した田中希実らを最後の直線で突き放す2分