最近は、部下育成で成果を出せていない管理職が増えている。以前から難しいと言われる部下マネジメントだが、近年はその難しさの度合いが増しているのだ。その背景にあるものとして、東京大学准教授の中原氏は「突然化・二重化・多様化・煩雑化・若年化」と職場環境の変化を挙げる。「部下育成を科学する」と題し、部下育成における科学的データやその知見について中原氏が語った。 (なかはら じゅん)1975年、北海道旭川市生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等をへて、2006年より現職。大阪大学博士(人間科学)。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人々の学習・コミュニケーション・リーダーシッ プについて研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。単著に『職場学習論』(東京大学出版会)、『経営学習論』(東京