ライ・クーダーが奏でた音楽の風景 そのギター弾きは、ずっと風景の中に生きてきた。 デビュー以来、彼は一貫して商業主義に惑わされることのない不屈の音楽を録音し、人々の前で演奏してきた。「僕の人生は常に探求の連続だった」と言うように、葬られそうだった偉大な本物の音楽を追い求め、本やレコードでしか知ることのできなかった幻のミュージシャンを訪ねて直接学び取った。 美しい音楽、古い音楽、珍しい音楽を追い求める旅。それが自らの音楽に吸収されて表現できるようになった瞬間に、“ライ・クーダー・ミュージック”は完成する。そう、あの赤いグレッチや茶色のストラトキャスターを滑るスライドギターやフィンガーピッキングと共に聴こえてくる唯一無比の音楽。 音楽を旅する──この言葉がこれほど似合う男は他にいない。南部の田舎町や港町、国境沿い、太平洋の島、南米や沖縄まで、その旅は世界中を駆け巡ってきた。中でもハワイのギャビ
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