『セッション』(Whiplash/2014) 今、最も注目されている映画監督の一人、デイミアン・チャゼル。まったくの無名だったこの監督を一気に有名にしたのが『セッション』(Whiplash/2014)。サンダンス映画祭でグランプリを獲得し、アカデミー賞にもノミネートされてしまった。 僕は戦争映画、あるいはギャング映画のような音楽映画を作りたいと思った。楽器が武器に変わり、音楽が銃のように暴力となり、学校のリハーサル室やコンサートステージが戦場に変わる……僕は演奏の一つ一つを、カーチェイスや銀行強盗のような、生死を分ける闘いであるかのように撮影したかった。 まさに天才らしい発言ではあるが、実はこの作品は自らの体験が“原作”となっている。それは高校時代のジャズバンドで味わった恐怖体験。 チャゼルは毎日何時間も地下の防音室にこもり、手から血が出るまでドラムを叩き続けた。リズムをミスる恐怖。テンポ
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