2033年、ディナビッグが日本国の内閣総理大臣に就任した。女装家の男性が首相となるのは日本初であり、海外メディアも「ドラァグクイーンがジャパンのPMに」と報じて話題をさらったのだった。 共産党が組み込まれたことも「ジャパンでコミュニストパーティが政権に」と話題になったが、正確には閣外協力だった。 ■来歴 ディナビッグは本名を朽木大膳(くちき だいぜん)と言った。新卒で大手商社に就職し、36歳の時に出版社が主催するエンタメ系小説の公募の賞を受賞して作家となった。必ずしも小説家への強い志があったわけでもなかった。筆名のディナビッグは、本名の「大膳」を英訳したビッグ・ディナーから、適当に決めたものだった。 38歳で商社を退職した後、公の場では女装で登場した。39歳で直木賞を受賞。受賞者記者会見でオネエ言葉でまくし立てる姿が世間に受け、様々なテレビ番組へ出るうちにテレビタレントとなっていった。既に