1989年に始まり、世界でも有数の国際ドキュメンタリー映画祭として知られる、山形国際ドキュメンタリー映画祭(以下、YIDFF)が今年も開催される。新型コロナウイルスの流行によって2021年には初のオンライン開催に踏み切った同映画祭は、今年は完全復活を遂げるべく対面開催となる。 山形という地方から多くの作家を輩出し、長年に渡りドキュメンタリー映画の魅力を発信し続けてきた同映画祭は、アットホームな雰囲気を持ちながらも、エッジの効いた挑戦的な作品が上映されることも多く、映画のあり方や社会との関わり方について活発な意見が交わされる場でもある。そんな同映画祭の理事を務める藤岡朝子氏にドキュメンタリー映画とYIDFFの魅力について話を聞いた。 “コスパ”や“タイパ”とは真逆の魅力がYIDFFにはある ――YIDFFは2021年に創立以来初のオンライン開催となり、今年は久々のリアル開催となります。 藤岡