スペインのピアノ音楽史は、近年とみに注目を浴びるようになってきました。とくに19世紀末から20世紀前期にかけてのグラナドス、アルベニス、ファリャという3人の作曲家だけではなく、ロドリーゴのピアノ作品のCDも話題を呼びました。 これら近代の作曲家が登場する以前のスペインのピアノ音楽事情はどうだったのでしょうか。18世紀前期においてはドメニコ・スカルラッティが活躍し、ピアノ音楽の先進的な役割を担ったスペインですが、その後の19世紀後半に至るまで、ホアン・クリソストモ・アリアーガ(1806-1826)にまさる作曲家は輩出していません。彼はパリでフェティスに師事し、瞬くまでに才能を開花させました。彼の弦楽四重奏曲はわが国でもCD発売され、非常に大きな評判を呼びました。比類ない独創性と透明な書法は、ドイツロマン派に強く彩られることなく、モーツァルトの古典主義がそのまま継承されたような印象を与えます。
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