2019年10月、坂本慎太郎がアメリカツアーを開催した。これまで発表されたアルバムはすべて海外でもリリースされており、アメリカにおいても高い人気を誇る坂本だが、ソロでのUSツアーは今回が初。ツアーファイナルとなったニューヨーク公演はチケットが即完し、このツアーのアメリカでの注目度の高さをうかがわせた。 本稿では、このツアーのために渡米して全公演を観覧した音楽ライターの松永良平が、各都市でのライブの様子やそれに対する現地の反応をレポート。坂本の音楽が今、アメリカの音楽ファンたちの間でどのように受容されているのかを取材した。 取材・文 / 松永良平 写真提供 / Mesh-Key Records(NY)、PRESS POP、zelone records 10月15日夜、サンフランシスコサックスの西内徹がタンバリンを振り出した瞬間、ドキッとした。坂本慎太郎がゆっくりとコードストロークで入ってきて