2018年7月19日のブックマーク (1件)

  • 「美しい顔」とそれが提起した問題についての補遺 - 日比嘉高研究室

    1. 「美しい顔」は、つくづくかわいそうな作品になったと思う。私は、この作品が世に出てきた時とても褒めたし、今でもよい作品で「ありえた」小説だと思っている。作者もポテンシャルの高い人なんだろう推定している。 2. この問題に首を突っ込んで以来、しばしば「剽窃の問題を抜きにして、この作品の文学的価値は高いと思われますか」的な質問を受けた。聞き手は私に「そうだ」という答えを期待していたのだと思う。数少ない(たぶん)擁護者役として。 けれど、もうこの作品は「剽窃の問題を抜きにして」読むことは、誰にもできなくなっている。剽窃問題について完全に無知な読者を除いては。 「文学的価値は高いのか」と問う人たちは、「文学的価値」が他のさまざまな基準から独立的に評価しうる、つまり文学の領域の自律性のようなものを、知ってか知らずか前提としていると思う。もちろん、そんなことはありえない。文学は、その社会が持ってい

    「美しい顔」とそれが提起した問題についての補遺 - 日比嘉高研究室