タイにある全77県を全てまわり、そこでタイの国民的歌手、カラバオの歌を4曲歌うという、自称「全国ツアー」の様子を収録した紀行文です。 就労許可がありませんから、歌ってもお金はもらえず、基本的に自腹。さらに1つの県で2泊以上しないこと、1つの県あたり平均200バーツ以上使わないこと、など、いろいろな制約を課しての旅。 いくつか例外はあるものの、到着したバスターミナルや駅で演奏したらすぐに次の目的地に向かうという駆け足なものですし、節約のためにコンビニのインスタントラーメンを食べながらの旅ですから、一つ間違えばこの本は貧乏旅行の旅の記録でしかなくなるのですが、それでもその内容が光るのは、そこにギターが、歌があるから。ギターのおかげで、交流がいくつとなく生まれていきます。 著者はお金こそ稼がないものの、ギターを介した交流やそのほかいろいろなきっかけで、旅行中タイ人に様々な好意を受けます。タイ人が