予定されていた会見は突如、キャンセルされた。 2月23日。午前9時半から、負債総額3000億円超と今年最大の経営破綻となった商工ローンSFCGの会見が東京証券取引所で始まった。同じ日の夕刻、もう1つの大型倒産会見が準備されていたことは知られていない。3月10日に会社更生法適用を申請した不動産ファンド大手、パシフィックホールディングスである。 株主総会直前、幻の破綻会見 「ご心配をかけましたが、なんとか行けそうです」。23日、パシフィックの経営陣らは金融機関など関係者に、その時点では会社更生法の申請を見送ることを告げた。前日夜まで、関係者が会見出席者の一覧作成や資産の確認に追われていた。同社の株主総会が開かれるほんの3日前の出来事だ。 破綻までの数カ月、パシフィックは資金調達の可否を巡りニュースリリースを連発。その度に株価は乱高下した。 “幻の会見”は最後まで事業継続を巡って混迷を続けた、同