「ヤジはある意味、“仕返し”だったのでしょう。その前に辻元議員に言われたことの中にカチンとくるものがあったのだと思います。安倍首相は党対党の議論の場という設定ではなく、自分と相手のどっちが強いかを競い合っているような感覚になってしまっているようです。自分の真意を伝えることよりも、個人レベルで自分と相手のどっちが勝ったのかということに関心がいきがちなのでは」 野党から抗議を受けた安倍首相は、こうわびた。「辻元議員がですね、時間がきたのに延々と自説を述べて、いわば私に質問をしないというのは答弁をする機会を与えないということでありますから、早く質問をしたらどうだということを言ったわけでありますが。しかしまあ言葉が少し強かったとすれば、それはおわび申し上げたいと思います」。早口で、言い終わると同時に答弁席から身をひるがえした。 著書『他人の意見を聞かない人』(角川新書)で、その典型が安倍首相である