帝人は30日、鉄より軽くて丈夫とされる先端素材の炭素繊維について、量産タイプの自動車での採用を目指し、2012年夏に試験生産を始めると発表した。松山事業所(愛媛県松山市)内に二十数億円をかけて設備を導入。軽量化の効果が大きい車体骨格などでの搭載を狙っており、自動車メーカーを巻き込んだ開発が加速しそうだ。 試験生産では自動車メーカーなどと共同で安全性や軽量化の効果を検証。欧州で自動車の二酸化炭素排出量の規制強化が12年以降、段階的に進むのを踏まえ、15年以降に発売される次世代の電気自動車(EV)などエコカーでの採用を働きかける。 帝人は炭素繊維を樹脂で固めた複合材料の成形で、作業時間を従来の最短5分程度から、量産車の生産に適した1分以内に短縮する量産技術を3月に確立。試験設備ではこの技術を用いて連続生産する。 これまで自動車への炭素繊維の導入は、生産台数が限られる高級車やスポーツカーの