現在上映中の映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』がたいへん好評のようで、ハリウッドでは「シリーズ以外で久々のヒット」と喧伝されている。 原作小説の著者アンディ・ウィアーからすれば、第1作『火星の人』(映画邦題『オデッセイ』)に続くヒットになる。こちらも2015年公開の映画が6.3億ドルの大ヒットであった。当面は「宇宙SF映画の定番」というリストにこの2作が並ぶことだろう。 ……となると、長年のウィアー読者としてはどうしても気になることがある。『火星の人』と『プロジェクト・ヘイル・メアリー』にはさまれた長編第2作『アルテミス』だ。近未来の月面都市を舞台にしたSF小説で、早川書房から文庫版が上下巻で刊行されている。 しかし、どういうわけか、こいつがほとんど話題に出ない。早川書房が note でプロジェクト・ヘイル・メアリーの次に読むべきSFという記事を出したが、『火星の人』があるのに『アルテ

