リニア中央新幹線の2027年開業が遅れる可能性が高まってきた。南アルプストンネル静岡工区が大井川の流量減少を巡って着工できずにいる問題で、事態の打開に動いた国土交通省を静岡県の川勝平太知事が痛烈に批判。問題解決の糸口をつかめない状態が続いている。 川勝知事が国交省への不満をぶちまけたのは、19年11月6日の定例会見。対立する静岡県とJR東海との間の調整に乗り出した国交省鉄道局に対し、「議論を仕切る器に欠ける」と繰り返し非難。国交省で鉄道局長を務めた藤田耕三事務次官と同省の水嶋智鉄道局長を名指しして、「東京大学法学部卒の文系上がりなので、技術的なことについては専門家ではないと危惧されている」と言い放った。 その6日前の10月31日、国交省と静岡県、JR東海の3者は、国交省が主導する新たな協議の場で問題解決を図る方針を確認。協議の進め方などを文書にまとめることで合意した。国交省は11月6日、そ