4月5日、アニメ映画監督の高畑勲氏が亡くなられた。謹んでご冥福をお祈りします。 氏の訃報を受けて日本テレビは急遽予定を変更し、13日の金曜ロードショーで氏の代表作と言える「火垂るの墓」を放送した。 「火垂るの墓」は反戦アニメ映画の不朽の名作と評されており、それは確かにそのとおりなのだが、実は高畑氏自身は、このような作品が必ずしも戦争を防ぐ力にはならないとして、次のように警告していた[1]。 海外にはない日本のアニメ映画の大きな特徴のひとつは、原爆など、戦争末期な悲惨な体験を描きながら、もうあんなみじめな思いや経験はしたくない、させたくない、というかたちで反戦平和を願う気持ちを子供たちにもってもらおう、という狙いで作られたアニメが、かなりの本数あることです。(略) しかし私は、『火垂るの墓』を作る前も、今も、真の意味で反戦ということで言うならば、こういう映画はたいして有効ではない、と思い続け