公開から40年以上経つ今なおカルト的な人気を誇るフランスとチェコの合作アニメ『ファンタスティック・プラネット』。フランスアニメ界の巨匠、ルネー・ラルー監督が手がけた本作は、1973年のカンヌ映画祭でアニメ作品史上初となる審査員特別賞を受賞したという、歴史を変えた名作です。 舞台は巨大なドラーグ族が小さなオム族を虫ケラのように扱う、とある惑星。ある日偶然ドラーグ族の1人がペットとしてオム族の赤ちゃんを飼ったことをきっかけに互いの部族の運命が変わり始め...。 ここで登場するオム族の見た目が完全に人間と一致しているということもあり、鑑賞後には夢に出てきそうな少しトラウマチックなビジュアル&ストーリー。ですが、他の追随を許さない圧倒的なセンスは、この作品に出会えたことを感謝したくなるほど。 観ている者の不安をさらに煽る、アラン・ゴラゲール手がける不穏な音楽もまた、秀逸です。