今年結成15周年を迎えた凛として時雨が、5年ぶりとなる6枚目のオリジナルアルバム『#5』を発表する。この15年を振り返ると、音楽を取り巻く環境が大きく変化したことは誰の目から見ても明らか。楽曲を聴く手段はCDからダウンロード、そしてストリーミングへと移行し、それに伴ってライブの価値が見直され、2010年代を「フェスの時代」と定義づけることも可能なはず。そして、そんな急激な変化のなかにあるからこそ、ひたすらに自分の表現と向き合い、「曲を作り、ライブをする」ということを続けてきたバンドの尊さが今際立っているように思う。凛として時雨は、まさにそうやって確固たるポジションを築いてきたバンドだ。それも、相当にエクストリームな形で。 凛として時雨が2005年に発表したデビューアルバムのタイトルは『#4』、1曲目を飾るのは“鮮やかな殺人”だった。当時まだ学生団体のCINRAは、ライブハウスを賑わせていた