精神科Q&A 通常認められていない独自の治療法を推し進めた医師が提訴され、賠償を命ぜられた判例 判例タイムズ No.1058 (2001.7.1.) p.204-p.213 「自然医学療法」と称する治療法を提唱しているY医師が、癌の治療にこれを用いた結果、患者が死亡したというケースです。 Y医師は、癌を含めて全ての病気は血液が原因で、血液は腸で作られると考えられることから、ほとんど全ての病気は自然食と薬草茶で血液を浄化すれば治るという独自の荒唐無稽な論を主張し、それにそった著書も出版していました。 そのような方法で癌が治るはずもなく、治療を受けた患者が死亡したのは当然です。 したがってY医師が賠償を命ぜられたのも当然と言えます。 が、話はそう単純ではありません。 裁判で被告側(Y医師の側)は、この患者が治療法を選択するのは本人の自由であり、その自由に従ってY医師の自然医学療法を選択したので