ちょうど1年前のコラム「飲酒 禁止とは言えないが『少量でも健康に有害』」で述べたように、「酒は百薬の長」という言葉は既に過去のもので、「アルコールはまったく飲まないのがベストだ」という考えが広がっています。同コラムで述べたように、世界保健機関(WHO)は2023年1月、「アルコールは少量でも健康を害する」という内容の声明を発表し、その直後にカナダ政府がその内容を踏まえたガイドラインを発表しました。そして、ついに日本も動きました。24年2月19日、厚生労働省は「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。飲酒に関する新しいこのガイドラインは上述のカナダのガイドラインなどを引き合いに出し、世界の潮流に追いつこうとしています。しかし、飲酒量については「飲酒量が少ないほど、飲酒によるリスクが少なくなるという報告もあります」という表現にとどめ、WHOほどは有害性を強調していません。では、