小奇麗にまとまって疲れたオッサンの娯楽になりきってしまう前の、ドラマとアニメの中間ぐらいのカルトなナニカが好きだった。 オッサンが見るにはジュブナイル過ぎて、子供が見るには小難しい、アンバランスで、本棚のどこにも正しい居場所のないような作品群が好きだったんだ。 暗くて救いようがないような、明るすぎないからこそ救われているような、結論が視聴者に委ねられすぎるような危うさに魅せられた。 ドラマでやれば非現実さに画面が耐えられなくなるような内容を、やたらと薄暗い明度と目の大きすぎないキャラクターで描く世界に惹かれてた。 あの頃のアニメはもう絶滅危惧種だ。 どれも萌えや燃えを上手に使って、ネットでバズらせたがっている。 それで正解なんだ。 商売として、コンテンツとして、娯楽として。 迷走していただけなんだ。 でも、迷走していた頃のフラフラと当て所なくさまようなあの頃の深夜アニメを愛していたんだ。