岩田規久男『デフレと超円高』を読む。 良書評として、『事務屋稼業』さんのこちらの記事も御参照ください。 「実質実効為替レートでみると、現在は円高ではない。」 このような発言は、デフレは問題じゃないよ、といっているのと一緒(62頁)。 真顔で言っちゃダメな類の発言。 アタリマエだが、念の為。 外需主導の景気回復について(91頁)。 実質賃金(全産業。30人以上の事務所)の変化を見ると、2002~07年は、実質賃金が基本マイナス傾向で、上昇した場合でも、企業の利益率の伸びに比べて極めて低水準にとどまる。 これはデフレのため、国内の売上高が低迷し、国内の雇用需要が振るわなかったことが大きい。 海外売上高主導の景気拡大というのは、労働者にとって不利な景気の回復だった。 量的緩和というのは、「民間にお金が出回り、それがモノの購入に使われて、物価を引上げる」というようなものではない(143頁)。 そう