危機再燃の火種くすぶる=反緊縮挫折、国民に不満−チプラス政権発足1年・ギリシャ 政府の社会保障制度改革に抗議するギリシャの人々=21日、アテネ(EPA=時事) 【アテネ、パリ時事】緊縮財政への反対を掲げて2015年1月の選挙で圧勝したギリシャ・チプラス政権の発足から25日で1年。昨夏に欧州連合(EU)が求める増税や年金減額を受け入れ、ユーロ圏からの離脱を回避したものの、金融支援の条件をめぐる交渉は難航している。一方で国民の不満は募り、政権基盤が揺らぐ。危機再燃の火種がくすぶっている。 「年金減額の連鎖を止めろ」。欧州メディアによると、アテネで1月下旬、年金改革に反対する高齢者らが抗議活動を展開した。海運事業者は各地で2日間フェリーの運航を停止。怒る農業関係者は牛乳をぶちまけた。 関係が悪化したEUから支援を絶たれ、15年7月に資金が枯渇寸前に陥ったギリシャのチプラス政権は土壇場で緊縮策