デジタルオシロスコープ(デジタルオシロ)はとても便利な計測器だ。信号波形が残る。取り込んだ信号波形をいろいろと解析できる。ネットワークにつながる。パソコンに信号波形のデータを移せる。アナログオシロスコープ(アナログオシロ)で散々苦労した技術者にとって、最近のデジタルオシロはうらやましいの一言に尽きる。 しかし、少し考えて欲しい。アナログオシロではプローブで拾った信号を直接、CRTモニタの垂直軸に入力する。信号そのものを観測する。デジタルオシロは違う。主にアナログデジタル変換器(A-D変換器)によってデジタルデータに変換し、波形メモリーに蓄積する。その後で波形メモリーのデータを読み出し、補間などの処理を施してディスプレイに表示している。 本来であれば、アナログオシロの動作原理を理解するとともに操作経験を積んでから、デジタルオシロを扱うべきだろう。にもかかわらず、多忙な開発現場ではアナログオシ