戦争を描くアニメとしての『魔法少女リリカルなのはStrikerS』 小森 健太朗 筆者は、このたび刊行された『サブカルチャー戦争』に、「Wから00へ」と「モナドロギーからみた『図書館戦争』」という二本の論を寄稿している。前者は、主に「ガンダムSEED」連作、後者は有川浩の『図書館戦争』シリーズの考察を主題とするものだ。もともと私がこの論集に寄稿しようと思っていたのは、ゼロ年代のアニメの中で、戦争の描きかたが悪い三大ワーストアニメとして、《ガンダムSEED DESTINY》《図書館戦争》《魔法少女リリカルなのはStrikerS》の三作品をあげたことがあり、その三作の戦争観について考察するものだった。その過程で、「ガンダム」に関しては《ダブルオー》も視野に入れて考えた方がよく、さらに、比較考察のためには90年代のヒット作である《ガンダムW》も視野に入れた方がよいという考えから、独立した論を書く