http://picup.omocoro.jp/?eid=1714#sequel このあいだ、どろりさんの「海」を読んでいた。この作品は、主人公に気持ちが寄り添うようにできている。それで最後に、その甲斐なくという言い方になってしまうが、此の世の無情みたいなものに触れることになるのである。 欲というのは絶対に他人のためにならないのだが、それは欲というのが動物的なものだからであって、動物は、欲深くない限り生きていられないから欲深くあるだけである。 ところが、動物的なところから精神世界を得た人間的な世界では、恥とセットになって欲を抑えることが美徳に成り得るので、恥ずかしさや向上心から律儀に欲をセーブしようとがんばれる気持ちになる。 しかし、欲をセーブする美徳を得なかった人たちから、動物的にバカにされる。バカにされないまでも、動物的に引け目を感じる。そんな時ばかりは、精神世界が雲散霧消して動物に過