文学をめぐる理論と常識 作者: アントワーヌコンパニョン,Antoine Compagnon,中地義和,吉川一義出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/11/27メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 43回この商品を含むブログ (15件) を見る アントワーヌ・コンパニョン『文学をめぐる理論と常識』第2章は、この本の他の章と同じく、「作者の意図を探ろうとする文学解説派と、作品の意義を記述しようとする文学解釈派」(p.45より)の対立を調停し、「その一見いさぎよい二者択一からは、実態は見えてこない。真実はおそらく、両極端の中間にある」(p.311、訳者あとがき)ことを示そうとした章である。ところで、私はがちがちのテクスト論者であり、もし「どんな文学研究でも、意味を保証してくれるものとして、作者の意図を暗黙裡に想定している」(p.101)ことが示されたというのなら、私にはそれに反