母になる準備はできている。心は相変わらず子どもだけれど、身体のほうは万全。「なんでわかるの?」なんて聞かないでほしい。わたしだってよくわからないけれど、恐らくはこれが本能。「子どもを産め」と身体が叫ぶ。 しかしながら、人間という生物は、幸か不幸かひとりじゃ子どもをつくれないらしい。妊娠する“土”はあるのに、“種”がないみたいなもので、つまりは“種”、男の人の精子が必要だ。しかし、わたしには現状、パートナーがいない。 世の中一般的に言えば、「子どもをつくって育てる」のは“夫婦”で行う仕事らしい。だからなのか、たまに耳にする話に「すごく好きな人がいて、子どもも産みたいんだけど、結婚向きじゃなかったから諦めたんだよね」といったものがある。そういった話を聞くたびに、わたしは思う。 どうして諦めなきゃいけないの? 「ものすごく好きな人がいて、その人の子どもを産みたい」というのは、誰もが手放しで「いい