産業技術総合研究所(産総研)は,ナノ・スケールの空隙間(ギャップ)を金属電極間に設け電圧を印加すると,抵抗スイッチ効果が発現することを見出した(発表資料)。金属原子の物質移動によりギャップ幅が狭まることから,トンネル抵抗が変化するためと見ている。硫化銀(AgS)や硫化銅(CuS)を用いて,原子の物質移動により電極間の接続・非接続を制御することでスイッチ効果を得るいわゆる“原子スイッチ”の研究開発成果はこれまでにも報告されているが,今回は「純金属によるギャップ構造でスイッチになる」(産総研 ナノテクノロジー研究部門 分子ナノ物性グループ 内藤泰久氏)ことを発見したという。産総研ではこれを「NanoGapSwitch(ナノギャップスイッチ)」として商標登録した。既存の原子スイッチに比べ,材料選択性が広く,製造面でも既存の半導体製造技術を応用できる可能性があるとしている。 原子スイッチはチャージ