――子どものころから、エリート教育を受けてこられたのでしょうか。 まったくそうではない。日本で生まれ育ち、日本の大学を出た。新卒で入社した日本の金融機関に在職中、海外のビジネススクールなどで勉強する機会を得て、「これでは日本人が受けてきた教育や思考方法では太刀打ちできない」と気づいた。 その後、転職して外資系の金融機関でマネージングダイレクター(役員待遇)として経営陣に加わった。この金融機関の売上高全体で日本が占める割合は15%。だが、同じマネージングダイレクターで日本人は私一人。売上高から見れば、もっといてもよいはずと考えた。 これは他の外資系企業でもそうだ。国内では優秀だとされている日本人が、海外ではまったく通用しないという現実。それを強く感じた。 ――通用しない理由は何でしょうか。 日本人が通用しない理由を、ビジネスを通して世界のエリートたちと接した経験から引き出した。それは、以下の