グーグルが資金提供した研究チームはこの4年間、科学において極めて議論を呼んだ実験の1つの再現に取り組んできた。テーブルトップ実験(実験室で実施する小規模な実験)で太陽の力を再現するというものだ。 常温核融合とは何か。核融合は恒星の中心で起きる反応で、水素原子が収縮して融合し、ヘリウムを作り出す。その過程で大量のエネルギーが放出されるというものだ。フランスの国際熱核融合実験炉(ITER)をはじめとする大規模プロジェクトは、地球上での大規模な核融合の再現を目指している。核融合には膨大な熱と圧力が必要なため、その実現は困難だ。たとえば、ITERは巨大な磁石によって閉じ込められた、太陽核の10倍となるおよそ摂氏1億5000万度の水素ガスの粒子を使う。これに対して常温核融合とは、通常の核融合と同じ反応を、室温で得るというアイデアだ。 果たして、このアイデアに正当性があるのかというと、その答えはノーだ
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