リフレ政策はミルトン・フリードマンの流れをくみつつも、その背後にある思想とは全く相いれない結末を生んだ(写真:AP/アフロ) リフレ派が推奨してきた「量的緩和」とは何か、短期金利のコントロールを通じた伝統的な金融政策とどこが違うのか。今回はこの点について、技術的側面にはなるべく立ち入らずに説明する。 金利ベースの金融政策 中央銀行が金利をコントロールできることは、さしたる説明を要しない。金利には様々な期間があるので、ここではオーバーナイト物(当日借入・翌日返済、以下O/N)がコントロールの対象だとしよう。 中央銀行が特定の金利水準、例えば5.01%で市中銀行にO/Nでいくらでも貸し出す、そして4.99%でいくらでも借り入れるというシステムを導入すれば、銀行間(インターバンク)貸借市場のO/N金利はこの狭い範囲に必ず収まる(*注1)。このような形で市中金利に事実上の上限と下限を設定する方式は
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