カズのW杯での全プレー時間は約29分間。大会終了後には、「右ストレートの打ち方やパンチのよけ方を教わっているうちに、いきなり世界戦のリングに立ったようなもの」と自らのW杯挑戦を説明した。 カズにはすべてが分かっていた、と思う。与えられた時間のなかで、自分に何ができるのか、が。 突然のフットサル日本代表入りが報じられてから、三浦知良は好奇の視線にさらされてきた。 たった1カ月で、フットサルの選手になれるのか? ADVERTISEMENT 複雑なセットプレーやフォーメーションを把握できるのか? 戦力として計算できるレベルに到達するのか? いくつもの疑問が、カズの前に行列を作っていた。 「いろんなシステムがあるらしいし、コーナーキックのサインプレーも10個以上あるらしいので、大変ですよね。昨日もミーティングのあとに残って、ディフェンスのやり方のパターン映像を20個以上は見たんじゃないかな。もう、
