安倍晋三首相は来年10月に予定される消費税率10%への引き上げを先送りする方針を固めた。今年4月に行った8%への引き上げ後の景気回復の足取りが重く、再増税すれば「デフレからの脱却」を掲げたアベノミクスが根幹から揺るぎかねないと判断した。新たな引き上げ時期は、1年半先送りして2017年4月とする案が有力だ。ただ、政府内には次の増税時期を明示せず、「先送り」のみを表明して衆院解散・総選挙に臨むべきだとの案が浮上しており、政府・与党で調整が本格化している。 【かすむ財政再建】10%引き上げで厳しくなるのはどの分野? 首相は7日、首相官邸で自民党の谷垣禎一幹事長と会談。谷垣氏は「予定通り消費税率を引き上げるべきだ」と進言した。これに対し首相は「衆院解散の時期を探らなくてはいけない」と述べ、再増税の時期は先送りし、解散を検討する意向を伝えた。 再増税の判断材料となる7〜9月期の国内総生産(GDP