はじめに ※本稿は、主にリソグラフィ専門家に向けた内容となります。フォトレジストについて詳細な内容を含みます。 前2稿(90-1/90-2)では、ヘリウム(He)供給途絶とナフサ/PFAS危機が、半導体製造装置の「気相プロセス」と「装置部材」を、それぞれ別の経路から崩しにかかっている構造を論じた。図1に示したように、Heは成膜・リソグラフィ・エッチングなどの気相プロセスを直撃し、ナフサ由来のシール材・潤滑剤・配管材は前工程の全装置に組み込まれている。 しかし、本稿執筆中に筆者は、図1の中にもう一つの重大な臨界点が潜んでいることに気づいた。図1の左下、「ナフサ由来の原材料使用――フォトレジスト、IPAなど」と記した領域である。ここに記されたフォトレジストこそ、本稿が論じる主題である。 フォトレジストは、装置部材(FFKM、PFPE、PFAなど)とは決定的に性格が異なる。装置部材が「装置の周辺

