気分転換に美術館!というと、知的でカッコイイ響きがします。しかし実際に芸術作品を目の前にして、作品とどう向き合えばいいのかわからない……という人もいるのでは? 一体どんな見方をすれば芸術作品を楽しめるのでしょうか。清泉女子大学文学部文化史学科講師の木川弘美先生にお話を伺いました。 ■作品の背景を知って物語を観る ――芸術作品を感覚で「いい!」と思う以外に、どのような見方がありますか? 木川先生「作品が制作された時代や、その国における政治や文化などの背景を知ることで作品を見る方法があります。 例えば、ヨーロッパで生まれた作品を例に見てみましょう。ほとんどの絵は、宗教に関連したテーマや物語が描かれています。何も知らなくてもマリアと幼児イエスが描かれていれば『聖母子像だ』、十字架を背負っている男性がいれば『イエスだ』、ということは分かるでしょう。 しかしそれ以外の絵は、何を意味しているのかさっぱ