著者の名寄せと研究者識別子ORCID 1. はじめに 学術研究成果の多くは論文として出版され公表される。論文は、すでに存在する論文を引用しながら、それが表す知識の体系を位置づける。そのような知識の体系を構成することに、誰が貢献したか、どのような組織が貢献したかがわかるように、内容とともに著者の名前や所属組織名が明記される。助成機関に対して謝辞を加えることも多い。ある研究者がどのくらい知識の体系化に貢献したかを測ってみたいとき、その研究者の論文を並べてみればよい。それがいわゆる業績リストである。著者本人の申告だけでなく、より客観性を帯びた形でリスト化されればより正確な評価が可能となるであろう。今では、論文や業績リストがWeb上に公開されるようになり、瞬時にそのような情報を得ることが可能となった。出版者の論文検索システム、機関リポジトリ、出版者や機関の研究者ディレクトリなどから直接、または大