韓国文学の重要な人物や作品、事項など485項目を取り上げた『韓国近現代文学事典』(権寧ミン(クォンヨンミン)編著、田尻浩幸訳)=写真=が、明石書店から刊行された。19世紀後半の朝鮮王朝末期から2000年までを対象に扱った貴重な一冊だ。 早稲田大学への留学経験があり、韓国の近代文学の草創期を担った李光洙(イグァンス)のほか、世界的に評価の高い詩人の高銀(コウン)や作家の黄?暎(ファンソギョン)、申京淑(シンギョンスク)など人物紹介が充実している。事典の末尾には、権氏による「韓国現代文学概観」と題する文章を掲載。封建的な社会体制の改革運動に伴って19世紀後半に生まれた韓国近現代文学が、日本の植民地時代、南北分断の時代を経て、どのように発展してきたかを説明している。